満足度:54%【ランク中】
あらすじ
孤独な女性オオバカナコは、怪しいサイトのアルバイトに手を染めたことでどん底に陥り、とあるダイナーにウエイトレスとして売られてしまう。重い鉄の扉を開けると強烈な色彩が広がるその店の店主は、以前は殺し屋だった天才シェフのボンベロ(藤原竜也)。そこは、凶悪な殺し屋たちが次から次へと現れる、殺し屋専用のダイナーだった。
究極生命体・玉城ティナを愛でる為の映画
究極生命体と言えば、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。私はが思い浮かべるのは、その言葉を作ったと言っても過言ではない、ジョジョの奇妙な冒険第2部に出てきたカーズ様である。悪役であった彼は、物語の終盤に目的を達し、究極生命体(アルティミット・シイング)へと変貌を遂げた。
究極生命体がどういう存在かを説明するのは省くが(気になる方はカーズ様でググってね)、ジョジョに登場したカーズ様は、どうやっても倒すことが出来なかったため、最終的に主人公から身体の自由を奪われ、宇宙空間へ追放されてしまう。
つまり、この時点で私が認識する究極生命体は地球上から居なくなっていたのだ。
しかし、この度、この映画にて、私は新たな究極生命体を発見する。
それが「ウエイトレス姿の玉城ティナ」である。

この映画では、玉城ティナの様々な面を観ることができる。ダークな面、ビビりあがっている面、笑っている面、泣いている面などなど。結論を言うと、それがイチイチ可愛らしい。これこそ、新世代のアルティミット・シイング である。
後ろで殺し屋たちがドンパチをやっているのだが、もはやそれすら気にならないレベルだ。彼女のコスチュームには蜷川監督も全力で力を注いだそうだが、究極生命体を完成させてしまうとは、少々頑張り過ぎだったかもしれない。
それがこの映画最大の見どころである。
注意:これはアート作品です
蜷川実花監督の映画を観たことがある人は容易に想像できると思うが、彼女の映画はアート作品である。色彩美とキャラを楽しむものであり、それ以外のことを気にしてはいけない。
そう、決して気にしてはいけない。
たとえ、スプリンクラーが洪水のような雨を降らせても、
常に花びらが業務用扇風機を回しているように舞っていても、
凄腕の殺し屋のくせに全員行動がド素人だったとしても、
ドアの前でロケットランチャーをブチかましたとしても、
そのままの姿で表に出れば職質間違いなしのメンツしかこなかったとしても、
なぜかナイフが届く距離で飛び上がって拳銃を打ち合ったとしても、
決っっっっっして気にしては行けない。そんなことをいちいちツッコんでいたら蜷川監督の映画は楽しめない。
そんな細かなことに突っ込んでいたら、取り巻きの女の子たちに(誰の?)「これだから男子はわかっていない」と言われるのがオチだ。単純なジャパニーズアクションを観たければファブルを観ればよい。
だがしかし、やはりというか、お得意のキャラの作り方と色彩美は相変わらず素晴らしいものがある。場面転換や重要なポイントで、カット撮りと合わせて色彩をいじってくるところは普通の映画では楽しめない。少々土屋アンナを酷使しすぎる傾向にあるが、いつまでたってもエロいからしょうがない。
バーガーとスフレが食べたくなる
あとは食の表現が非常に上手い。アップでシズル感たっぷりに撮るのだが、加えてその場にいても小さい音でしか聞こえないであろう、様々な「音」をやや大きめに入れてくる。それにより、食事のリアル感が増すことで、とても美味しそうに見える。
本作のキー料理となるバーガーとスフレは特に気合が入っており、この映画を観終わった後、私はとりあえずバーガー店にかけこんだ。
キャストでお気に入りは窪田正孝

個人的に、作中最も殺し屋の雰囲気があったのは、窪田正孝だ。喋り方、佇まいに独特の雰囲気を醸し出している。元々危ない感じの色気がある俳優さんだが、ひょっとしたら目が赤くなって背中から赫子(かぐね)でも出てくるんじゃないかと思ったけど、そんなことは無かった。
何気に鍛えられている肉体などがチラチラと見えるが、そのシーンで彼は女性のBPMを190くらいには軽く上げるだろう。
不遇の天才 本郷奏多

直近では、キングダムでもイカれた王弟を演じていたが、今回は整形とホルモン注射で子どもの姿になっているサイコパスな殺し屋という、なんとも突き抜けた役柄を演じきった。
サイコパスの役柄が定着していないか、なんだか勝手に不安になっているので、どなたかちょっと普通の役もあげてほしい。
まとめ:玉城ティナか、窪田正孝が好きな方はどうぞ
あとは、以前に蜷川監督作品を観て、相性が良かった方はぜひ行ってみると良い。玉城ティナの究極生命体ぶりにお金を払える人なら、後悔はしないだろう。
概要・キャスト
公式URL: http://wwws.warnerbros.co.jp/diner-movie/
監督 蜷川実花
藤原竜也
玉城ティナ
窪田正孝
本郷奏多
武田真治
土屋アンナ
真矢みき
小栗旬
製作年 2019年
製作国 日本
配給 ワーナー・ブラザース映画
上映時間 117分
映倫区分 G
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