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満足度68%:さらば愛しきアウトロー 感想【ネタバレなし】

満足度:68%【ランク中】

あらすじ

1980年代初頭からアメリカ各地で多発した銀行強盗事件の犯人であるフォレスト・タッカー(ロバート・レッドフォード)は、15歳で初めて投獄されて以来、逮捕、脱獄を繰り返していた。彼は発砲もしなければ暴力も振るわないという風変わりなスタイルを貫き、粗暴な強盗のイメージとはほど遠い礼儀正しい老人だった。

全くもって、しょうがねえ爺さんの物語

参照: http://www3.cinematopics.com/archives/113021

老人ホームで看護師さんのお尻を触ったり、ちょっとした嘘をついて人を小馬鹿にするけれど、持ち前のキャラで何となく許されてしまう。そんな愛嬌系じいさんが、あなたの周りにもいないだろうか。

本作の主人公、フォレスト・タッカーはその究極系みたいなおじいさんだ。

驚くことに、実在の人物であるというフォレスト・タッカー。都合16回の脱獄と90回以上の銀行強盗を繰り返すという、ギネス・ワールドレコーズも苦い顔をする、犯罪界のレジェンド。

しかも、どんなモンスターかと思いきや、紳士的で銃は脅しにしか使わず、だれも傷つけることなく上記の犯罪を繰り返したというのだから驚きだ。決して警戒されず、お金を取られた後も、被害者に「紳士的」と言わしめる。先ほど愛嬌系じいさんの究極と評したのは、この点にある。作中でも、被害者がどうにも怒りきれておらず、不思議なイメージを我々に与える。

その犯罪界のレジェンドを、ハリウッドが誇るレジェンド、ロバートレッドフォードが自信の引退作として演じた。

盛り上がりは少ないが、粋な大人の映画

正直に言うと、ロバートレッドフォードの引退作でなければ、この映画もそこまで注目されなかったかもしれない。

というのも、本作は大きな盛り上がりというものに欠ける。やっていることは銀行強盗というとんでもないことをしているのだが、懇々とシーンが流れていく。エンターテイメント性はかなり低いのだ。

おそらくだが、派手なシーンは極力不要であると判断したのだと思う。あくまでも主人公の生きざまを、レッドフォードの生きざまに重ねることに絞ったのだと。ただ、それによって単調になってしまった点があるのは否めない。

おおよそ万人受けはせず、粋な大人の雰囲気を楽しめるファンでなければ中々楽しめない映画だろう。

私も正直未チェックだったが、朝の情報番組ZIPで伊藤健太郎さんが紹介してくれなければ見逃していた。ちなみに、伊藤健太郎と斎藤工の言う事なら、私は概ね興味を持つようにしている。どっちもなんだか変態っぽいし…。

エンターテイメントと言うよりもドラマという表現が近い

参照: https://www.banger.jp/movie/13646/

上記でも述べたが、本作は主人公であるフォレストのとんでもない人生を切り取った映画だ。その人生にフォーカスを当てたとき、ピックアップするべきポイントは正しい。老年においてもなぜこの爺さんは強盗を繰り返すのかということだ。

この主人公は犯罪者であり、そんな犯罪者の意見に耳を傾ける気は無いが、作中に出てくるその思想には共感を覚える。主人公ではなく、過去に彼を捜査した刑事が語る言葉だが、その一言にこの映画とロバートレッドフォードが伝えたいであろうことが集約されている。

色々な記事で紹介されているけれど、ここでは割愛する。是非映画内で確かめてほしい。

引退作を支える、豪華キャスト

参照: https://www.anemo.co.jp/movienews/newmovie/saraba-9-20190705/

刑事役に ケイシー・アフレック 、恋人役に シシー・スペイセク と、アカデミー賞を受賞した2名が脇を固める映画など、この予算感の映画では中々お目にかかれないはずだ。

そして、その演技は両者とも流石の一言。演技がいわゆる自然体なのだ。その人物が、この世界のどこかで本当に暮らしているような印象を受ける。この二人の演技力が無ければ、ぶっ飛んだ主人公の役は浮いていたに違いない。

この映画では「自然体」が何よりも重要だったのだ。日常の延長線上で犯罪を行う人物が主人公だったのだから。

『運び屋』との対比

さて、この映画を観る前にも気にはなったが、クリント・イーストウッドの運び屋と比較されることが多いようだ。パクリでもない限り、比較することなど馬鹿馬鹿しいのだが、共通点が多いため、それもしょうがないかとは思う。

・どちらも実話
・どちらも犯罪を犯した老人の話
・どちらも一流俳優の引退作?(イーストウッドは明言してない)

という形で、何となく比較されてしまうのもわからないではない。しかも「運び屋」があれだけインパクトを残した後では、その陰に埋もれてしまうこともしょうがない。

確かに、純粋なエンターテイメントとしての「面白さ」であれば、少なくとも私は「運び屋」に軍配が上がると思う。

しかし、映画は勝ち負けではない。楽しみ方など幾通りもある。少なくとも、この映画に観る価値があるかと言われれば、私はYESと答える映画だ。レッドフォードの引退作で何も得るものが無いなどと、思ってはいけない。

まとめ:映画ファンなら観ておこう

ロバートレッドフォードは映画界に多大なる貢献をした人物。その彼が俳優を引退する作品だからこそ、やはり観ておきたい。

純粋な作品批評にならないとして、映画にそういう思い出を混ぜるのを嫌がる人もいるが、私としてはそういう楽しみ方は好きだ。

あれ?これで終わり?という気持ちにもなったが、飄々とハリウッドを去っていくロバートレッドフォードを想像すると、やっぱりカッコいいと思ってしまうのだなぁ。

概要・キャスト

公式URL: https://longride.jp/saraba/

監督 デビッド・ロウリー
ロバート・レッドフォード
ケイシー・アフレック
ダニー・グローバー
チカ・サンプター
トム・ウェイツ
シシー・スペイセク

原題 The Old Man & the Gun
製作年 2018年
製作国 アメリカ
配給 ロングライド
上映時間 93分
映倫区分 G


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