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満足度:61% 男はつらいよ50 お帰り 寅さん 感想【ネタバレなし】

満足度:61%【ランク中】

あらすじ

柴又の帝釈天の参道にかつてあった団子屋「くるまや」は、現在はカフェに生まれ変わっていた。その裏手にある住居では車寅次郎の甥である満男の妻の7回忌の法事で集まった人たちが昔話に花を咲かせていた。サラリーマンから小説家に転進した満男の最新作のサイン会の行列の中に、満男の初恋の人で結婚の約束までしたイズミの姿があった。イズミに再会した満男は「会わせたい人がいる」とイズミを小さなジャズ喫茶に連れて行く。その店はかつて寅次郎の恋人だったリリーが経営する喫茶店だった。

想い出に浸る、完全なるファンムービー

私は気になるシリーズがあれば、映画・漫画・ゲーム・音楽などなど、何であっても最初からきっちり観たいと思うタイプの人間だ。だから、何かの続編を観ようと思った時は、基本的にしっかりと前作を予習してから行く。

しかしながら、日本人であれば誰もが知っているであろう「男はつらいよ」シリーズは本作で50作品目であり、さすがにこれを初めから観るのは骨が折れるため、私としては珍しくシリーズもので予備知識も持たずに鑑賞した。

(そりゃあ、寅さんがどういう人かだったり、登場人物のある程度の人間関係は知っていいるけれども)

また、前作からは20年以上たっており、前作公開の時点でも、私はまだ小学生。まともに観たのはこれが初めてである。

さて、その予備知識が無い私が視聴した感想だが、とても良かったと言える。ただ、これは完全にファンへ向けられた、山田洋二監督からのメッセージムービーだ。満足度が高くないのは、単純に私が100%で楽しめる受け皿ではなかっただけの話である。何も知らないのに高くつけるのもある意味失礼だなと。

だからこそ、ファンの方であれば私以上に満足度は高いはずだ。

そう。本作は、まるで「寅さんとの思い出を語ろうよ…」と、誘ってくるような映画に仕上がっている。

なぜ愛されるか、初見の人間にも分かる奥深さ

本作は少しずつ当時を振り返る形式で、回想シーンが挟まれていく。そこに往年の渥美清さんも登場してくるのだが、やはり確立されたキャラクター増はすごい。主役の吉岡秀隆を差し置いて、やっぱり寅さんを観たくなる。次の登場シーンを今か今かと待っている自分がいるのだ。

基本的には短期で弱い人だけれど、真っすぐで情に厚い。この人を放っておけないし、何だか観ていたいという気持ちを起こさせる。寅さんとは、失われた日本の美徳のひとつだなと、改めて思わせられる。

すみません、侮っていました

また、私はこのシリーズを恐らく舐めていたのだろう。本作を視聴した際、劇場はかなりの席が埋まっていた。実家に帰省していたため、地方の映画館で鑑賞したが、それでもこれだけ席が埋まるのかと驚いた。

私より恐らく20歳近く上の方ばかりであろうか。開始30分後には泣いている方もいらっしゃった。それ程までに「男はつらいよ」シリーズは、かつて人々の心を揺さぶってきたのだ。

この映画を観るにあたっては、その思い出が羨ましくもある。なんというか、本作は親戚の大人たちが、昔はこういうこともあったねと、振り返る話を一緒に聞いているような映画だ。なんだかこっちも暖かくなってくる。

ベテランの皆様が凄い

20年以上、いや50年そのキャラクターを演じてきた皆さんは、とても素晴らしく、もう「こういう人たちが存在している」としか言えない演技をしている。

というかもはや演技を通り越して「素」かもしれないが、セリフやその人のシーンだけでなく所作や何気ないやり取りに至るまでが確立されている。

撮影技術がどう、とかではなく、もう「自然体」でいるのだ。これには、そうそう勝てるものは無い。時間だけがこれを作るのではないかとすら思わせる。ひとつのことをやり続ける奥深さを学ばせていただいた。

まとめ:日本の様式美における究極系

寅さんが帰ってきて、マドンナを連れてきて、ひと悶着あるけど落ち着いて、また寅さんが旅に出る。そんな日本的様式美の究極系がこのシリーズだ。本作は、それを懐かしむ映画であるが、初見の人はいかに寅さんが愛されてきたかを知ることができるし、かつてを知っている人は映画の人々と一緒に懐かしむことができる。

いずれせよ暖かい気持ちになれる映画だ。

また、本作のサブタイトルは「お帰り、寅さん」であるが、これの意味は是非劇場で確かめたほうが良いだろう。山田洋二監督も、しっかりとこのシリーズにけじめをつけたかったのだろうと思う。

2019年、最後の映画レビューは「日本人のおいちゃん」に敬意を払い、締めくくりとさせて頂く。

概要・キャスト

公式URL: https://www.cinemaclassics.jp/tora-san/movie50/#

監督 山田洋次

渥美清
倍賞千恵子
吉岡秀隆
後藤久美子
前田吟
池脇千鶴
夏木マリ
浅丘ルリ子
美保純
佐藤蛾次郎
桜田ひより

2019年製作/116分/G/日本
配給:松竹

記事画像参照元: (C)2019 松竹株式会社

「男はつらいよ50 お帰り 寅さん」映画感想:オグマの映画レビュー
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