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満足度:69% テリー・ギリアムのドン・キホーテ 感想【ネタバレなし】

満足度:69%【ランク中】

あらすじ

仕事への情熱を失くしたCM監督のトビーは、スペインの田舎で撮影中のある日、謎めいた男からDVDを渡される。偶然か運命か、それはトビーが学生時代に監督し、賞に輝いた映画『ドン・キホーテを殺した男』だった。
舞台となった村が程近いと知ったトビーはバイクを飛ばすが、映画のせいで人々は変わり果てていた。ドン・キホーテを演じた靴職人の老人は、自分は本物の騎士だと信じ込み、清楚な少女だったアンジェリカは女優になると村を飛び出したのだ。トビーのことを忠実な従者のサンチョだと思い込んだ老人は、無理やりトビーを引き連れて、大冒険の旅へと出発するのだが──。

そりゃあ、賛否両論あるだろうなぁ

本作は予告編を観て興味を持ったのだが、最も気になったのは「欧州は大絶賛、北米は酷評」という賛否両論具合だ。

そこまで割れるとは、クセが半端じゃないのだろうと思い、鑑賞してみたのだが…なるほど、これは確かに賛否両論あるだろうな、というクセ100%の映画に仕上がっていた。

一言で言うと「こいつ、まともじゃないぜ」という、劇中でドン・キホーテに抱く感情をそのまま映画に抱くような感じだ。

ただ難しいのは、それが必ずしも悪い意味に繋がっているわけではないのだ。まともじゃないけれど映画としてはきちんと仕上がっており、カルト的なファンが生まれそうな予感さえある。

つまるところ、まともな感性を持っていない私は、それなりに楽しむことができてしまったというのが正直なところだ。

マジで呪われているかもしれない

本作は呪われた作品と言われているのだが、それにも理由がある。制作に着手したのは1989年と30年前であり、それから災害やら何やらで、企画頓挫9回という、ぶっ飛んだ経歴を持つ。普通の監督ならあきらめているが、テリー・ギリアム監督は執念で作り上げた。

ただ、観た後ならわかってもらえると思うが、ストーリーラインからして、そもそもまともではない。いや、何を言っているかわからないと思うが、作品のどのシーンをとっても、本作は呪われているかもしれないと思ってしまう。

そう思うポイントを一つ上げると、「ドン・キホーテ」の物語がベースにあるので、老人の幻覚のような表現もちらほらあるのだが、どこが虚構で、どこが本当なのかわかりにくく、しかも割とどうでも良いところで「幻覚だった」みたいな表現を入れてくるので、頭の中の整理が追いつかない。

また、登場する人物の結末やら何やらも、呪われてると思ってしまう一要因だが、それはネタバレになるので劇場でご確認いただければと思う。

割と嫌いじゃないけど、何で作ったのかはよくわからない

上述したように、私は割と嫌いではない。2回目を観る気にはならないが、それなりに楽しめている。ただ、何でこれを作ったのかはよくわからない。メッセージ性は難解だ。

私にとってテリー・ギリアム監督はブルース・ウィリス主演の“12モンキーズ”のイメージが強く、狂ったような恐怖を感じさせる世界観が、当時中2病だった私には強く印象に残っている。

その頃と比べても、本質的には変わっていない。「何で?」「どうして?」という展開が続き、何とか自分なりに解釈をするのだが、合っているとは思えないあの感覚。

そういうのが好きな方には、本作は合うかもしれない。

上手くSWから飛躍したアダム・ドライバーに注目

本作を観て改めて思ったのだが、SWのカイロ・レン役でスターダムに上り詰めたアダム・ドライバ―は、役者として非常に優秀である。

恐らく、彼は演技の幅が非常に広い。カイロ・レンになったばかりの頃は、野暮ったい喋り方をする男性、くらいのイメージだったが、今ではそれすら上手く魅力の一つにしている。

本作は自信たっぷりで、色気を振りまく映画監督の役だが、コメディシーンもシリアスなシーンも、何なら若い純粋な頃のシーンなどもあり、この作品を演じきれれば、たぶん何でもできる役者になっているというくらいに忙しい。

それを完璧にこなせている彼は、非凡な才能を持っているのだと思う。今後の彼にはもっと注目したい。

まとめ:予告編で興味を持ったら行くべし

以上の事から、カルト的な空気が半端ない作品で、確かに賛否両論激しそうな映画だが、予告編が良くできているので、これを観て興味が持てそうであれば行ってみると良い。

相変わらず美しいオルガ・キュリレンコも拝めるため、そういう眼福もあるだろう。

ちなみに、完全なるイメージだが、欧州の方がより複雑なものを好んでいるから、本作の評判がいいんじゃないかと思っている。(アメリカが単細胞とは言っていない。決して。)

概要・キャスト

公式URL: http://donquixote-movie.jp/

監督 テリー・ギリアム
アダム・ドライバー
ジョナサン・プライス
ステラン・スカルスガルド
オルガ・キュリレンコ
ジョアナ・リベイロ
オスカル・ハエナダ
ジェイソン・ワトキンス
セルジ・ロペス

2018年製作/133分/G/スペイン・ベルギー・フランス・イギリス・ポルトガル合作
原題:The Man Who Killed Don Quixote
配給:ショウゲート

記事画像参照元: (C)2017 Tornasol Films, Carisco Producciones AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Filmes, El Hombre Que Mat o a Don Quijote A .I.E., Tornasol SLU

「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」映画感想:オグマの映画レビュー
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