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満足度:89% ナイブズ・アウト 感想【ネタバレなし】

満足度:89%【ランク高】

あらすじ

世界的ミステリー作家ハーラン・スロンビーの85歳の誕生日パーティーが彼の豪邸で開かれた。その翌朝、ハーランが遺体となって発見される。依頼を受けた名探偵ブノワ・ブランは、事件の調査を進めていく。莫大な資産を抱えるハーランの子どもたちとその家族、家政婦、専属看護師と、屋敷にいた全員が事件の第一容疑者となったことから、裕福な家族の裏側に隠れたさまざまな人間関係があぶりだされていく。

ミステリー映画の中でも、屈指の完成度

心の底から、びっくりした。本作は期待をしていなかったわけではないのだが、予告を観てどこかダニエル・クレイグやクリス・エヴァンスの普段とは違う演技を売りにした、コメディチックなミステリーだと思っていた。

しかも、監督はスター・ウォーズシリーズ最大の戦犯と私の中で位置づけられている、ライアン・ジョンソンである。心の葛藤の中、私は正直苦虫を嚙み潰したような顔で劇場に赴いた。

しかし、ふたを開けてみるとどうだ。これでもか、というくらいの王道ミステリーかつ、完成度の高い作品に仕上がっているではないか。敬意を表して、最後までエンドロールを観終わるまで居たのは久しぶりだ。

本作は、同レベルの映画が近年では記憶にないほど、ミステリー映画として高い完成度だった。

王道でも、全く飽きさせない巧みな構成

作品の筋は、ミステリーの王道を感じさせる。もちろん観ている側を裏切るような内容にはなっているが、全て我々が体験している王道ミステリーの範疇で進んでいく。

しかし、私が面白いと感じたところは、フー・ダニット(誰が殺したか)/ホワイ・ダニット(なぜ殺したか)/ハウ・ダニット(どのように殺したか)というミステリーのテーマがコロコロと作中で変わっていくところだ。

しかも、中盤は上記に当てはまらない時間帯(これを表すミステリー用語も存在するが、ネタバレになりそうなので割愛する)もあり、非常に賢く、洗練された作品構成であることが感じられる。

上記くらいの表現であれば、おそらく問題なく映画に臨めるだろう。本作はミステリー好きの方には取り急ぎ観ていただき、ご判断いただきたい代物だ。

2020年と1920年が融合したような作品

作中の雰囲気は、アガサ・クリスティー全盛期の1920~30年代を髣髴とさせるが、間違いなく車やスマートフォンなどが出てくる現代である。

舞台が古い洋館ということもあり、そういう雰囲気ができているのだが、この雰囲気づくりにも非常に好感が持てる。なぜなら、テクノロジーが発達した現代においても、探偵の重要性が際立つ部隊が整えられているからだ。

科学捜査が発達しているが、あくまでそれは道具に過ぎない。探偵の「推理力」という、あやふやでロマンチックな武器を活かすにはちょうど良い舞台を整えられている。

ダニエル・クレイグ&クリス・エヴァンスの新鮮な演技は必見

ダニエル・クレイグといえば、007/ジェームズ・ボンドであり、クリス・エヴァンスといえば、もちろんキャプテン・アメリカであるが、本作はそのイメージを全く感じさせない、良い演技を魅せてくれている。

クレイグ版のジェームズ・ボンドは、冷徹な仮面の中に激情を飼っているタイプの人間であり、職務上暴力での解決も厭わない。しかし、今回の役柄は終始知的で決して暴力に訴えるタイプではない役柄である。

一方、キャプテン・アメリカは米国の自由と正義の象徴であり、確固とした信念を持っている、男の中の男であるが、本作でのクリス・エヴァンスの役柄は、放送禁止用語を乱発する放蕩息子であり、本当に真逆のキャラだ。

ふたりとも、自らを代表する作品を卒業し(または間近に控え)、そのこびりついた色を一度払拭したいのかもしれない。少し寂しいが、彼らであれば今後も我々を楽しませてくれるに違いない。

ただまあ、二人ともスーツの上からでもわかる逞しい肉体が、若干役柄とアンバランスだったなあと、思わなくは無かったが。笑

徹頭徹尾、終始可愛いアナ・デ・アルマス

そして、メインキャストの一人、アナ・デ・アルマスさんが終始可愛い。正直、他のキャラクターが濃い過ぎて、一人だけの美人が余計際立つのだが、彼女が驚いたり、悲しみに暮れているだけで、久しぶりの惚れてまうやろ事案が発生する。

みなさま、くれぐれも事案の発生には注意して頂きたい。

まとめ:畜生!ライアン・ジョンソンめ!

と、いう訳で私の期待値をかなり超えてきたため、つい絶賛してしまったが、本作は「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」の監督を務めたライアン・ジョンソンの作品である。そう、私がつい“そびえたつクソ”などど、汚い言葉を使ってしまったあの映画の監督である。

作品に罪は無いので、本作は私もちゃんと周囲におススメしようと思うが、彼がこれだけの才能を持っている監督だとは本当に思わなかった。ああ、なんということでしょう。

そういう訳なので、最後に私の慟哭をもって感想を締めくくりたいと思う。

ちくしょう!なんでこの完成度をスター・ウォーズでやってくれなかったんだよ!こん畜生が!

概要・キャスト

公式URL: https://longride.jp/knivesout-movie/

監督・脚本 ライアン・ジョンソン

ダニエル・クレイグ
クリス・エバンス
アナ・デ・アルマス
ジェイミー・リー・カーティス
マイケル・シャノン
ドン・ジョンソン
トニ・コレット
ジェイデン・マーテル
クリストファー・プラマー

2019年製作/131分/G/アメリカ
原題:Knives Out
配給:ロングライド

記事画像参照元: Motion Picture Artwork (C) 2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

「ナイブズ・アウト」映画感想:オグマの映画レビュー
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