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満足度:92% 1917 命をかけた伝令 映画感想【ネタバレなし】

満足度:92%【ランク超】

あらすじ

1917年4月、フランスの西部戦線では防衛線を挟んでドイツ軍と連合国軍のにらみ合いが続き、消耗戦を繰り返していた。そんな中、若きイギリス兵のスコフィールドとブレイクは、撤退したドイツ軍を追撃中のマッケンジー大佐の部隊に重要なメッセージを届ける任務を与えられる。

映画史上最高と言える、戦場への没入体験

これまで、戦争や戦場を題材とした映画は数多く出てきた。それぞれにテーマがあり、名作と呼ばれる作品も多く存在する。

ただ、本作はこれだけ作られてきた戦場映画の中で、今までどの映画も成し遂げられなかった、“戦場体験”を“完成させた”と言っても良い映画だ。

戦場とは恐ろしく、常に死の危険と隣り合わせであるから、基本的に我々の生活とは無縁のはずだ。そんな我々に戦場の恐怖を最も効果的に伝えるのは、矛盾するようであるが戦場を「体験」させることが一番手っ取り早い。

だからこそ、映画に戦場のリアリティを組み込もうと、これまで様々な映画監督が挑戦してきた。だが、これほどの“体験”クオリティは少なくとも私の記憶の中には存在しない。段違いの緊張感を生み出している。

2020年はパラサイトがアカデミー作品賞を受賞したが、時代が少し違えば、本作が受賞していたかもしれない。これぞ、映画の醍醐味を最大限活かした映画だ。

TVゲームでは体験できない、極限の緊張感。

本作が始まって、約5分程度で緊張感が漂い始める。「これはただ事では無さそうだ」と思ったが最後、ラストシーンまで終始緊張しっぱなしとなり、120分などあっという間に過ぎてしまう。

この緊張感を生み出しているのは、全編ワンカットで見せているカメラワークが最大の要因なのだが、私はこのカメラワークをどこかで見たことがある気がしていた。そしてそれは、今思い起こせば映画ではなく、PS4などのTVゲームの作品だった。戦場を題材にしたFPSや、私の大好きなメタルギアシリーズなどが代表的だ。

この常に主人公について回るようなカメラワークは、ゲームと同じく没入感が凄い。しかし、ゲームと映画で異なる点は、基本的にゲームは主人公が「死んでも良い」という点だ。コンティニュー前提で作られているため、どれだけ緊張感があろうと「死んではいけない」という恐怖は無い。ここまで言えばお分かりかと思うが、本作は「死ねばそこで終わり」であるからこそ、没入感と相まって極限の緊張感が生まれている。

ゲーム以上の没入感をもって戦場に入り込み、さらにノンストップで2時間「死ねない」時間が続く。良くゲームをする方ならわかっていただけるのではないかと思うが、非常にしんどい。

可能な限り、IMAXまたはドルビーシネマで観るべき

ちなみに、私は本作をドルビーシネマで鑑賞した。事前に聞いていた映画の特徴を考えての選択だったが、これはやはり大正解だった。

映像の綺麗さだけでなく、劇場全体の暗さや、最強の音響など、臨場感が生まれる環境であればあるほど本作は良い。より映画を楽しむことができる為、少々のコストアップをしても十分に満足できるだろう。

また、IMAXやドルビーなどのシネマと、通常の映画スクリーンでは画面の比率が異なる。イメージとしては、通常の映画は横長だと思うが、IMAXなどで観るとそこへさらに上下映っていなかった部分が出てくるイメージだ。

そういう点からも、より没入感が上がる為、上記の視聴環境をお勧めする。

全編ワンカットの意味

本作は、ワンカットではあるが“ワンテイク”ではない。「最初から最後までずっとカメラを回して取っている」と思っている方がいるようだが、それはさすがに難しい。ワンカットに見えるように編集する撮影手法の事も「ワンカット」と呼んで良いらしく、本作はそちらになる。細切れで撮影しているが、それをワンテイクのように見せている。

ただ、鑑賞いただければわかると思うが、ワンテイクだろうがなんだろうが、本作はワンカット映画としての凄まじさがあり、そんなことは全く気にならない。と、いうか私はすっかりワンテイクだと中盤まで思わされていた。

公式サイトのトレーラーでは、はっきり上記や撮影手法などを紹介しているため、鑑賞後に観てみると面白い。当然のことながら、めちゃくちゃ大変だったことが伺える

ネタバレなんてどうでも良い映画

さて、もちろんネタバレをすると緊張感が減少してしまうので、それを見ないに越したことはないのだが、本作ほどネタバレで内容が伝わらない映画も他にないだろう。

ネタバレを見て、鑑賞を判断してはいけない。なぜなら、本作は映画ではあるが、戦場を「体験」するものだからだ。USJのアトラクションを、どれだけ面白かったと口で伝えても伝わらないのと同じように、本作は観ないとその良さは分からない。

だからこそ劇場に、それも視聴環境の良い空間で観てほしい極上の逸品だ。

まとめ:個人的にはダンケルクを超えている

本作にジャンルとして限りなく近いのは、第二次世界大戦の大撤退戦を描いた“ダンケルク”だと思っている。こちらも複数の視点から戦場の緊張感を描いた映画であり、IMAXなどで観ることが推奨された映画だった。

ダンケルク自体の完成度も高いが、こと没入感という意味であれば、本作は明らかに超えてしまったと思う。今まで“戦場体験”では私の中で、ダンケルクが一番だったのだ。

終始ビクビクしっぱなしで、下手なホラー映画よりも断然怖い。皆さんにもぜひ、この感覚を早く味わってもらいたい。

また、ベネディクト・カンバーバッチやコリン・ファースなど、脇役も限りなく豪華だ。俳優の贅沢遣いも楽しめるポイントのひとつだろう。

そして最後に、本作はアカデミー賞で撮影賞・録音賞・視覚効果賞を、その他賞レースで撮影賞などを取りまくっているが、ひとつだけ言いたい。

「そりゃあ取るでしょうよ」

概要・キャスト

公式URL: https://1917-movie.jp/

監督 サム・メンデス

撮影 ロジャー・ディーキンス

ジョージ・マッケイ
ディーン=チャールズ・チャップマン
マーク・ストロング
アンドリュー・スコット
クレア・デュバーク
リチャード・マッデン
コリン・ファース
ベネディクト・カンバーバッチ

2019年製作/119分/G/イギリス・アメリカ合作
原題:1917
配給:東宝東和

記事画像参照元: (C)2019 Universal Pictures and Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

「1917 命をかけた伝令」映画感想:オグマの映画レビュー
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