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満足度:60% MOTHER マザー 感想 【ネタバレなし】

満足度:60%【ランク中】

あらすじ

男たちとゆきずりの関係をもち、その場しのぎで生きてきた女・秋子。シングルマザーである彼女は、息子の周平に奇妙な執着を見せる。周平に忠実であることを強いる秋子。そんな母からの歪んだ愛の形しか知らず、それに翻弄されながらも、応えようとする周平。周平の小さな世界には、こんな母親しか頼るものはなかった。やがて身内からも絶縁され、次第に社会から孤立していく中で、母と息子の間に生まれた“絆”。それは成長した周平をひとつの殺害事件へ向かわせる——。

あと少し、何かが足りなかった作品

長澤まさみが主演にも拘わらず、そこまで騒がれていなかった時点で大体察していた映画だったが、作品のテーマ自体には興味があったため鑑賞した本作。感想としては、悪い方の予想が当たったな、という感じだ。

虐待、共依存、毒親、子どもの心理的依存など、比較的平和な日本において、戦争などのテーマよりもこちらの方が身近な危機であるため、こういった知識は誰にも必要だと思っている。

そういう意味で本作は価値のある映画なのだが、作りが全体的(個人的)にマイルドなため、伝えたいはずのテーマが汲み取りにくい。

大人の配役は合っていなかったと思うのだが

私が最も本作に関して違和感を感じているのは、長澤まさみと彼氏役の阿部サダヲだ。

まず長澤まさみは、終始顔が綺麗すぎる。終盤になっても美しすぎて狼狽している気がしないし、絵面は確かに綺麗だがリアリティが感じられない。

こういう役は「顔はちょいかわいいくらいだけど、とにかくエロい」みたいなお姉さんがピッタリだ。もちろん興行収入的にはNGなんだろうけど。こういった類の映画で必要な「本当にこういうやついるよな」的リアリティが感じられないのが、私の違和感ポイントだ。

また、阿部サダヲ自体は嫌いではないが、あの役、あの立ち回りではコメディ要素が強すぎる。本来であれば終盤へ行くにつれて、もっと闇が深くなっていくべきなのだが、彼のせいで妙に画面が明るい。良くも悪くも彼の特徴のため、ここは正直配役ミスではと思っている。

奥平大兼くんに若き日の柳楽優弥を見る

そこに反して、子ども役の方々はぴったりだったように思う。演技経験が無いにも関わらず、オーディションで大抜擢された“奥平大兼”くんは、ラスト以外完璧だった。

妹に対してのお兄ちゃんとしての振る舞い、学校で周囲と触れ合えない低いコミュニケーション力、母親からの命令を我慢する際の握りこぶしなど、随所で胸を打つような演技が光っていた。

ラストは個人的にもっと切実な表現が欲しく、髪型が変わっていたのでその影響もあるのかと思ったが、それ以外は非常に良かった。(あくまで個人の主観です)

まるで「誰も知らない」で知名度を上げた、かつての“柳楽優弥”を見ているようだった。今後に期待である。(ちなみに幼少時代の子役の子も、妹役の子も良かった)

社会的意義を考えても、もっとリアリティが欲しい

実話に着想を得ているため、各エピソードや構成自体は良いと思う。しかし、それに対してリアリティを構築していく部分が弱いように感じる。

上記配役もリアリティが弱い一つだ。殺害シーンなどをグロくしろと言うわけでも、エロいシーンを増やせというわけでもない(子どもにも教育として見せることを考えたらそれでいい)。この親の存在は間違いなく社会悪であるという、深い闇が個人的には欲しい。

でなければ鑑賞後に「こんなことが許されて良いわけが無い」という感想よりも「長澤まさみが尊かった」「阿部サダヲ笑った」みたいな感想の方が先に出てくるだろう。

また、ラストに関しても淡々としており、息子の心理描写がもう少し欲しい。ダメだとわかっているのに止められない、その心をもっと知りたかった。

まとめ:初心者向け社会派映画

というところで、正直個人的には生ぬるい感じの映画だったが、あまりそういう社会派の映画を観ておらず、慣れていない方にはあまり暗すぎず、ちょうど塩梅の映画かもしれない。

ただ、本作が海外の映画賞のようなものを取ることは無いだろう。(日本では日本アカデミー賞とかいう、死ぬほどつまらない賞があるためわからないが)

最後にこの映画を観た後の感想を一言で言うと、

たぶん現実はこんなもんじゃない。

おまけ:個人的にイマイチな映画の見分け方

公式サイトのあらすじで、ストーリーを8割方語っている映画には気をつけろ、と言うのが最近の私の持論だ。正直、本作もそんな感じだったんだよなぁ。

概要・キャスト

公式URL:https://mother2020.jp/

監督 大森立嗣

長澤まさみ
奥平大兼
阿部サダヲ
夏帆
皆川猿時
仲野太賀
土村芳

2020年製作/126分/日本
配給:スターサンズ、KADOKAWA

記事画像参照元:(C)2020「MOTHER」製作委員会

「MOMTHER マザー」映画感想:オグマの映画レビュー
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2 件のコメント

  • ブログに感想をいただいたこれと申します。オグマさんの感想を拝見させていただきました。

    確かに温い感じは否めませんね。キャラも浅く、エピソードもぶつ切りで、イマイチ重さが感じられませんでした。大人の配役がミスキャストだというのも一理あるかなと思います。

    私も現実はもっと深刻だと思います。この映画だってもう少し踏み込むことはできたはず。やっぱり全体的に物足りない作品でした。

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