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満足度:66% 82年生まれ、キム・ジヨン 感想 【ネタバレなし】

満足度:66%【ランク中】

あらすじ

結婚・出産を機に仕事を辞め、育児と家事に追われるジヨン。常に誰かの母であり妻である彼女は、時に閉じ込められているような感覚に陥ることがあった。そんな彼女を夫のデヒョンは心配するが、本人は「ちょっと疲れているだけ」と深刻には受け止めない。しかしデヒョンの悩みは深刻だった。妻は、最近まるで他人が乗り移ったような言動をとるのだ。ある日は夫の実家で自身の母親になり文句を言う。「正月くらいジヨンを私の元に帰してくださいよ」。ある日はすでに亡くなっている夫と共通の友人になり、夫にアドバイスをする。「体が楽になっても気持ちが焦る時期よ。お疲れ様って言ってあげて」。ある日は祖母になり母親に語りかける。「ジヨンは大丈夫。お前が強い娘に育てただろう」――その時の記憶はすっぽりと抜け落ちている妻に、デヒョンは傷つけるのが怖くて真実を告げられず、ひとり精神科医に相談に行くが・・・。

公式WEBサイト参照:http://klockworx-asia.com/kimjiyoung1982/

多くの選択を持てる現代において

韓国でベストセラーを記録した同名小説が原作となっている本作だが、少々謎めいた予告に惹かれ鑑賞を決めた。

本作を一言で言うと、多様化と女性の社会進出が当然となった現代において、古い価値観は変えなければならないことを、主人公の女性を通じて発信している映画だ。

彼女は男性社会でのストレスに加え、子育ての大変さが重なり、ある精神的な異常を起こしてしまった。そこに彼女の本当の幸せはない。だから、古い価値観を捨て、新しい男女平等の価値観を打ち出そうというのが本作のテーマだ。

男女ともに「人の幸せの基準が大きく変わり始めている」ということに気が付ける、社会的意義のある良作である。

かなり分かりやすく作られている

正直に言うと、かなり極端に男性社会を切り取っているなと思うものの、韓国の社会事情はわからないし、映画としての分かりやすさを追求したのかなと思うため、あまりここについて言及するつもりはない。

ただ、世の男性諸君が本作を観る際、少々居心地が悪いと思われるため先にお伝えしておこう。結構、典型的な男性の発言など耳に痛い部分が出てくるため、一緒に見に行った奥さんなどから小言が出るかもしれない。

普段の行いが大事なため、この映画を観ようと思っているご夫婦における旦那さんは、先に色々と考えを改めておくと良いだろう。

映画的観点から見ると、少々テンポはよろしくない

さて、社会的意義がある本作であるが、映画的観点から見た場合、少々不満が残るのも確か。

一番気になったのは、テンポがあまりよろしくない。本作は予告にもあるように、妻であり母である女性の、精神的な病に焦点を当て、その現象が「何故起こったか」を紐解いていくような映画である。

このテーマ自体は分かりやすく良かったのだが、終始このワンテーマに帰属しており、起こる出来事全てが「男性社会の問題点」に帰結していく。

あくまで映画として観た場合であるが、そこへの帰結が結論付けられているので、展開に対しての意外性があまりなく、同様のシーンが続くため何となく先が読めてしまう。

そのため、ひたすらに観ている者の共感を得るための映画になってしまっている。そこを、構成の力でもっと惹きつけるようにできれば、この映画はもっと評価が高かっただろう。なんだか惜しい。

とにかく、チョン・ユミさんが綺麗すぎる

他の方のコメントでもお見かけしたが、主演のチョン・ユミさんは徹頭徹尾お綺麗だった。

もう、憔悴した顔でもなんでも、綺麗じゃない画がひとつたりとも無かった。

本作では旦那さんが非常に奥さんを大事にしているのだが、それもわかるわぁって思うくらい綺麗だった。(語彙力崩壊)

まとめ:女性が観て共感して終わり、という風にしてはいけない

古代は村落共同体の中で、育児を何人もの女性がまとまって行っていたという(共同養育)。反対に、男性は狩りが主な仕事で、子どもとそもそも関わることが少なかったようだ。一説によると、その状態で何百万年も過ごしているという。

つまり、「女は子育て」「男は狩り」というような状態が、本能に染みついている。

これで私は何が言いたいかと言うと、
①複数人で役割分担しなければならないほど、育児というのは大変だということ。
②核家族化と低賃金化が進む現代で、育児の参加に男性は必須であること。
③そもそも男性は子育てへの意識が薄いので、自ら意識をして子育てに参加しなければならないこと。
④人間社会は数百万年かけた進化を、激変する今の社会に合わせて変えなければいけないということ。

この4つだ。

私が子どもの頃から考えるだけでも、今の時代は急激に変化している。「子育てって、こういう風に大変なんだよ」という女性の共感を得るだけの映画ではなく、この映画をきっかけに様々な人が、子育てに対して向き合わなければならないだろう。

社会性と技術の両面が発達していく今の時代において、ひとつの課題を深く投げかける本作は、男女共に観るべき映画。

特に、頭の固い人たちは。

概要・キャスト

公式URL:http://klockworx-asia.com/kimjiyoung1982/

監督 キム・ドヨン

チョン・ユミ
コン・ユ
キム・ミギョン
コン・ミンジョン
キム・ソンチョル
イ・オル
イ・ボンリョン

2019年製作/118分/G/韓国
原題:Kim Ji-young: Born 1982
配給:クロックワークス

記事画像参照元:(C)2019 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

「82年生まれ、キム・ジヨン 」映画感想:オグマの映画レビュー
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