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満足度:81% 罪の声 感想 【ネタバレなし】

満足度:81%【ランク高】

あらすじ

平成が終わろうとしている頃、新聞記者の阿久津英士は、昭和最大の未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、30年以上前の事件の真相を求めて、残された証拠をもとに取材を重ねる日々を送っていた。その事件では犯行グループが脅迫テープに3人の子どもの声を使用しており、阿久津はそのことがどうしても気になっていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也は、父の遺品の中にカセットテープを見つける。なんとなく気になりテープを再生してみると、幼いころの自分の声が聞こえてくる。そしてその声は、30年以上前に複数の企業を脅迫して日本中を震撼させた、昭和最大の未解決事件で犯行グループが使用した脅迫テープの声と同じものだった。

―引用:映画.com

全てが高いレベルでまとめられている

日本初の劇場型犯罪かつ未解決事件として警察の威厳をズタボロに引き裂いた、あの「グリコ・森永事件」を題材とした作品。

ちゃんとした原作があることと、事件性ある題材に惹かれて鑑賞を決意したのだが、そのカンは正しく、本作は邦画の中でも非常に完成度の高い映画であった。

グリコ・森永事件は未解決のため謎が多いのだが、原作者である塩田武士さんが注目したのは、この事件で企業への脅迫に使用された「子どもの声」。

この「“犯罪に巻き込まれた”子どもたちは、今何をしていて、何を感じているのか」そこを軸に、事件の真相に迫るのが本作の流れなのだが、この着眼点は非常に良かったと思える。

今と過去を繋ぐピースとしても最適であり、「犯罪に巻き込まれた子どもたちの将来」というリアルな現実問題に関してもしっかりと触れられるためだ。

その結果、幾重にも重なる良質なストーリーが出来上がっている。

フィクションとは思えないリアリティ

本作を観終わって感じた、1番の感想は「あ、これフィクションだったっけ」である。

犯人グループや動機の憶測、事件展開の推測、子どもたちの成れの果て、そのすべてが「あり得そう」と納得できるものばかりだ。

恐らく原作の塩田武士さんは、これを仕上げるために相当事件について調べ尽くしたのであろう。この流れと結末は、非常に納得できるものであった。

当時の時代背景まで考慮した物語の構成は見事。犯人は捕まってほしいが(時効だけど)、事の顛末はもうこれで良いんじゃないかと思ってしまえるほど、リアリティがある。

グリコ・森永事件の予習はできればしたほうが良い

ちなみに、偉そうなことを言っているが、私自身はグリコ・森永事件を知らなかった。というか、自分が生まれる前の事件であったため、そもそも触れる機会が無かった。

劇場へ行く大半の方は私と同じであると思うのだが、できればこの事件を少しでも知っておくと良いだろう。

ネタバレなどには関係がない。映画を観る上での土台となる知識として、知っておくと話の理解がしやすい。WEBで多少叩くだけでまとめられた記事が出てくるので、簡単に予習できる。

マスコミのあるべき姿を問いただす作品

また、本作はマスコミの存在意義についてもテーマの一つであると言えよう。本作の主人公の一人、小栗旬が演じている阿久津は新聞記者であり、事件当時こぞって面白おかしく事件を取り上げた新聞社の一つに務めている。

その新聞社が、事件の真相を暴くために今更活動するのは、新聞社のエゴに他ならない。では、そもそも新聞社をはじめとしたメディアがあるべき姿とは何なのだろうか。

ネットの発達に伴い、マスコミの情報操作や偏向報道も容易に暴かれる現代で、「必要とされるマスコミ」というものを、本作では見直していたように思う。

どんな内容になっているかは、ぜひ映画にて確認してもらいたい。

Uruさんの曲が染みる

また、良い映画を観たと思って物思いにふけっていると、エンドロールでも

久しぶりに歌に惹かれてエンドロールを全て観た気がする。「振り子」という曲名なので、皆さんも是非聞いてみてほしい。

映画の内容にどこかリンクする、物悲しさの漂う素敵な曲である。

まとめ:邦画の教科書みたいな作品

人気俳優の使い方、明瞭なテーマからのストーリー構成、また闇の深い題材にも関わらず、重くなり過ぎない雰囲気作りなど、邦画のお手本のような作品であった。

無駄に劇的なアクションシーンなどを入れてくれなかったのも高評価だ。

教科書のような映画だったため、正直なところ爆発力や意外性という意味では少し物足りないものがあったが、それをひっくるめたとしても良い映画だった。

直近の映画でおススメするとしたら、本作をお伝えしたい。

概要・キャスト

公式URL:https://tsuminokoe.jp/index.html

監督 土井裕泰
原作 塩田武士

小栗旬
星野源
松重豊
古舘寛治
宇野祥平
篠原ゆき子
原菜乃華
阿部亮平
尾上寛之

2020年製作/142分/G/日本
配給:東宝

記事画像参照元:(C)2020 映画「罪の声」製作委員会

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