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満足度:91% シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 感想 【ネタバレなし】

満足度:91%【ランク超】

※この満足度は、エヴァンゲリオンファンであることが前提のようなものです。

※本当はエヴァ好きなら何の情報も無く見て欲しいところではあります。何を言ってもネタバレになる。

さようなら、全てのエヴァンゲリオン

私は一通りTVアニメから旧劇、漫画、新劇と鑑賞しており、特にTVアニメを観ていた小学生の頃は、その独特な作風にかなりハマっていた。

しかし、TVアニメ・旧劇におけるラストの衝撃(っていうか何て言うか)は完全に視聴者を置いていくものであり、当時小学生とかだった私には到底理解できるものではない「ナニコレ」なラストであった。

ストーリー自体の考察余地が多かったことや、本来の面白さも相まって、アニメの歴史に名を遺す作品となったのだが、どう考えてもあのラストは普通じゃなかった

ファンは「エヴァってそういうものだから」という言葉で逃げていたのだが、一般的に受け入れられるものではない。

この背景があるため、ほとんどのエヴァファンは、新劇場版の最終回である今回のシン・エヴァンゲリオンに関して「何が起こっても飲み込むしかねぇ!」という気持ちで鑑賞に臨んだであろう。私もそうだ。

旧劇の、あの展開も頭の中にあったはずだ。

しかし、それらの予測や不安は、良い方に裏切られた。

シン・エヴァンゲリオンはファン、またはファンでなくてもリアルタイムで追っていた人間であれば、誰もが感慨深い気持ちになる、綺麗で、それでいてエヴァらしいラストを迎えてくれたのだ。

庵野監督自身の変化

改めて自己を見つめなおす前半から、ラストへ向かうにつれて、話がちゃんと進んでいく。単語は相変わらず、意味がわからないけれど、どういう流れで進んでいるかはちゃんと分かる。

何よりも、シンジ自身の精神的な成長が見て取れる。

これまでの最終的に超ネガティブに戻るシンジ君からは想像もつかない。

恐らく、監督自身も年齢を重ね、多くの作品に携わっていく中で、少しずつ人間として成長したのだと思う。それが今回の作品にも顕著に表れていた。

だからこそ、観る我々の心にも訴えかける何かがある。「君はこのままでも良いのか」と問いかけられているようだ。

ここに、20年以上続くシリーズの重みが現れていた。

Qはあくまで伏線

本作を観ればわかるが、Qはあくまで伏線に過ぎず、シンと合わせて前後編のようになっている。

Qの初見は正直「またヤリヤガッタ!」という感想で頭が爆発しそうであったが、本作を観た後であれば、Qは14年後のシンジ君目線で物語が作られていたという風に感じる。実際その意見も多い。

急に何もかも異なる環境に身を置かれ、他者の言葉を元々表面しか受け取れないシンジの目線。だから、周囲がより冷たく感じたという寸法だ。

本作では、その冷たさもシンジの成長と共に溶けてゆく。それは、エヴァで初めて感じた成長の記録のようであった。

また、できれば旧劇を観ていない方は、時間があれば観ておくと良い。なぜなら、旧劇で本来やりたかったことを、今回やっているように感じたからだ。

でも、謎は謎

もちろんエヴァなので、全ての謎を解明したり伏線をこの短時間で回収できるわけもない。考察好きのための余白部分もきっちり残されているところは相変わらず。(まあ、回収する気はなかったと思う…)

終わった後も、楽しませてくれるところは相変わらずである。

最後に:庵野監督に、ありがとう

エヴァンゲリオンは、我々の日常に溶け込んでいる。会話の中や広告媒体でもよく見かける。

でも、私たちファンはエヴァンゲリオンにずっとモヤモヤとした気持ちを抱えていた。

それはたぶん、私たちの中でエヴァの世界が完結していなかったからだ。

旧劇の世界でシンジは再びヒトとヒトが個別に存在することを望んだ。

でも、それはインパクトの事象が終わっただけで、何も変わっていないように思えた。

だから、私たちの中でエヴァは完結していなかったのではないだろうか。

だから、エヴァを見ると観ていた当時の年齢に戻るのではないだろうか。

これこそまさに「エヴァの呪縛」。呪いは私たちにもかかっていたのだ。

本作のラストでシンジ君は成長を遂げ、全てのエヴァにさよならを告げる。

それは、私たちに向けられた言葉のように感じられる。

私たちも、成長し、前に進まなければならないのだ。

本作を観た後に感じたのは、面白さよりも一抹の寂しさ。

呪縛は溶け、私たちが愛憎を交えて触れ合った作品は、これで本当に終わってしまったのだ。

でも、私は最後に言いたい。

庵野監督、そして全ての関係者のみなさまに「ありがとう」

概要・スタッフ

2021年製作/155分/G/日本
配給:東宝、東映、カラー

総監督 庵野秀明

監督 鶴巻和哉 中山勝一 前田真宏

緒方恵美
林原めぐみ
宮村優子
坂本真綾
三石琴乃
山口由里子


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